【芝居】「How to stop falling in love」スクランブル
2022.10.9 14:00 [CoRich]
50歳になる女の誕生日、男と別れたばかりの彼女を祝うために友人たちが集まるが、嵐の夜、男を連れ込んでいて、まだ恋仲にはなってない。男の元カノとその友人が諦めずにきている。プロポーズ断ったじゃないかというがそれは口臭だろうとか、でもタトゥーを入れるほどには惚れている。友人とホテルで添い寝というが信じない。
恋多き女、なんか巻き込まれた感のある素敵そうなオトコ、そしてその元カノという三角関係を軸に、親戚のカウンセラー、その母親である叔母が見合い写真を持ってきていたり、あるいは社員達が工夫を凝らしてサプライズを企んだりとわりとカオスな雰囲気で物語が進みます。 いろんな人々が居る、という当たり前の風景をいくつも並べて見せている雰囲気で、関係性がある人物たちのクラスターが複数あって、その間での敵対を早々に描いているわりに、その顛末を描く時間がわりと長くて時間の歩みがゆがんでいるような感覚を覚えるアタシです。正直に云えば、果たしてそれは意図的なものなのか、結果なのか、はたまたワタシが歪んでるのかが今ひとつ判らず。時間の歩みという点では会話の間合いが微妙で、空白の時間がいくつも差し挟まるのも違和感の一つです。会話で話されていることは自然なのにこの不思議な感覚は他では感じたことのないものです。
それにしても芸達者の役者を揃えたもので、唯一の男性を演じた中根道治の巻き込まれるヒトの完璧な造型、カウンセラーを演じた竹内もみのしっかりした人物の描き方、その母親を演じた岡本みゆきの隙を見れば見合い写真を差し込もうという虎視眈々のコミカル(覆面プロレスラーの夫ネタも楽しく)、恋多き女を演じた環ゆらは、社長で恋多いとかのいろいろな説得力。
広いダイニングをもつ豪邸、という雰囲気をごくシンプルにつくる装置もとてもよく。いわゆる配信やDVD販売こそないけれど、チケットを買えばきちんと複数カメラで編集した動画ファイルを後日送るというのもいい。動画ファイルを送る、ということはずっと残る可能性があり、コピーだってあり得るのに、観客を信用してくれている感じもワタシは嬉しい。
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