« 【芝居】「くらイよるサ」ボタタナエラー | トップページ | 【芝居】「嵐風呂滑郎一座」おのまさしあたあ »

2022.09.06

【芝居】「あつい胸さわぎ」iaku

2022.8.11 13:00 [CoRich]

若年性乳がんをテーマに据えた2019年作、娘以外のキャストは初演から引き続き、劇場を変えての上演。来年には映画の公開も予定されています。100分。スズナリで8月14日まで。

過去に観た芝居でもわりと物語を忘れがちなワタシです。他の人の感想で初演にはあった上の方の赤い糸(自分のblogに書いてるのにw)、とかすら覚えて居ないポンコツさ。アゴラからスズナリに替わり広くなった舞台は円形で役者たちがその円周に沿って出捌けというのはリズムがあったり、一方向に動く、あるいは反転するなどで意味があるようで面白いのです。

ワタシは男性なので、乳がんという病気の在り方だけでなくて、乳房を全摘出するか、残存するか再建するかなどの想いを本当の所は判らないのと思います。物語の軸はソコだけれども、そこから母親と娘の二人暮らしの日々、初めての恋心と本当に久しぶりに抱いた二人の恋心と広がる手際がいいスピード感が素晴らしいのに、出来すぎと思わせないのはどんな魔法だろうと思ったり。「無惨に失恋」する終幕だけれど、しかしそこからまた二人で前を向いて「まずは腹ごしらえして、ステーキを」食べて、暮らしていくという力強さがとてもいいのです(と、初演の感想にも書いてたw)。

娘を演じた平山咲彩は元気の良さの序盤が印象的。初演から引き続きの役者たちはいずれも濃密さを上げている印象。母を演じた枝元萌の肝っ玉かあちゃん風から恋して恥ずかしいの振れ幅が繊細。会社の同僚を演じた橋爪未萠里はヒールな役どころの色気溢れる説得力アップを感じてしまうワタシ。東京(実は千葉)から転職してくる同僚を演じた瓜生和成のあっけらかんと、気遣いできるのに(恋心に)気付かない絶妙な雑さの解像度の高さ。

2019.9
こまばアゴラ劇場
2022.8
ザ・スズナリ
武藤千夏(芸術大学の文芸学科学生) 辻凪子 平山咲彩
武藤昭子(マスモリ繊維社員、千夏の母) 枝元萌
川柳光輝(芸術大学の舞台芸術学科学生) 田中亨
花内透子(マスモリ繊維社員) 橋爪未萠里
木村基晴(マスモリ繊維社員) 瓜生和成

|

« 【芝居】「くらイよるサ」ボタタナエラー | トップページ | 【芝居】「嵐風呂滑郎一座」おのまさしあたあ »

演劇・芝居」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 【芝居】「くらイよるサ」ボタタナエラー | トップページ | 【芝居】「嵐風呂滑郎一座」おのまさしあたあ »