【芝居】「放課後、ミドルノート」route.©︎
2022.4.16 16:00 [CoRich]
ワタシは初見の劇団です。90分。4月17日まで王子スタジオ1。
中学校。クラスには人気者と無視されたり馬鹿にされたりしているグループ。ウサギが殺された事件はなんとなくクラスで馬鹿にされている女子のせいだと思われている。カースト上位にいるかなえとクラスでは目立たなかったユキはウサギに石を振り下ろした秘密を共有し友だちになる。一緒に喫茶店に行っても同じ物を買うことが出来ないユキは、かなえに600円のフラペチーノを買っても怒られない男の人と結婚して大きな家に住むことを夢見てバージンロードを歩くまねごとを繰り返す。かなえは父親を殺すと約束するがそれが果たせなかった日、ユキは裏切られることには慣れているといい姿を消す。
何年か経ち同窓会でユキがAVに出ていると噂になり盛り上がるが、かなえは乗れない。それぞれに仕事をしていて漫画家になったりアパレルで忙しくしていたり。恋人も居るし、結婚を考えている。敷かれたレールの上に乗っただけで手に入りそうな幸せ、幸せになれなかったらと考えたりもする。
シンプルにパイプ椅子とテーブル風、奥にはカーテン風の白い幕、風船が飾ってあったりとどこかカワイイを意識した雰囲気。前半は中学生のころ、残酷にスクールカーストがあるクラスでしかし、上位カーストに紛れ込んだ貧しく父親からの暴力を受けている少女は、男の人に殴られない、ということと大きな家という幸せのアイコンを夢見ていて。後半はその友人だった女を中心に。敷かれたレールの上にいるだけで幸せが約束されていそうで、しかし幸せになれなかったらという気持ちがなんか気持ちのあちこちに入ってきたりして。
香水の最初の香り(トップノート)から暫く経ってからの香りである「ミドルノート」をタイトルに。生まれてからしばらく経っての思春期から成長し結婚するぐらいまでを描いた今作はその時期をミドルノートと称して。前半の不穏であきらかに不幸な女、後半にはほとんど登場せず終盤にニュース音声で「50歳の男を刺した」として、おそらくは中学生で姿を消したあのときから幸せになれないままの人生であることが示されます。物語の視点は、その友人の方で、不穏な気持ちや揺れ、だけれどワタシはここに居る、という雰囲気の物語、なるほど女性の人生の一端を瑞々しく切り取るのです。
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