【芝居】「リディキュラブ」南京豆NAMENAME
2022.4.16 14:00 [CoRich]
この前この劇団を拝見したのは、2020年の佐吉祭以来。110分。王子小劇場。
地方で付き合っていたカップル、男が上京して彼女のことなど忘れてパーティ女を連れ込んだ日に配達に来たのはバンド活動のため上京したものの売れないまま時間が経った彼女だった。一緒に暮らすことを決め、女はバンドを辞め、男は仕事を辞めてお笑いを志したり姿を消したりしても女は待ち続ける。そのパーティ女をずっと見守る男がいる。
夢を持ちあるいは夢破れて都会の片隅で暮らすカップル二組の物語は昭和か、というぐらいにセピア色に見える世界。ダメな男と一途ゆえに巻き込まれて人生の長い時間を棒に振りながら、次に進もうとしても結局は苦労する道を選んでしまう女。あるいはいわゆるパーティに興じていたカップルの女が余命を宣告され人からどう思われようとバカップル(死語ですかね)で居続けること。物語だけ聞くとふたつともハッピーエンドには思えない物語。
それでも、終演後の感じは馬鹿馬鹿しくも強く生きていくという力。それはボーナストラックのようなアラスカ旅行のシーン。新婚旅行で訪れ、しかし熊に襲われるなかでのなんか歌い上げるパワフルさ。熊のカップルを演じるのがパーティのカップルの役者でなんか力強さと馬鹿馬鹿しさが同居するパワーを感じるのです。
上京したカップルを演じる今井未定、藤本康平のあちこちぶつかりながら前に進んで行く力強さが印象的。バカップルを演じた赤猫座ちこ、板場充樹の哀しさやバカっぽさの振れ幅から生まれるデフォルメがちょっといい。バンドの女を演じた田久保柚香の後輩風情とか、真っ直ぐに先輩を思う気持ちの細やかさ。
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