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2022.04.17

【芝居】「明日のハナコ」『明日のハナコ』上演実行委員会東京神奈川

2022.3.21 15:30 [CoRich]

2021年9月に福井県で上演された高校演劇祭の中でただ一本だけ恒例のケーブルテレビでの放映が中止されることで全国的に注目を浴びるようになった(詳しい経緯など)戯曲が全国でリーディングなどで上演されているなかの一本。今作では東京と川崎での初上演。3月21日までラゾーナ川崎プラザソル。90分。女性2名をメインに据えた「明日組」と男性2名の「ハナコ組」を交互上演で、ワタシはハナコ組を。 台本も無料公開されています。

高校の演劇部の女子高生、通りかかった演劇部を辞めた友人を呼び止めて、大道具とか朗読とかに付き合わせる。やがて次の演劇祭にむけた物語の構想を話す。それは1948年の福井大震災から始まる、ばあちゃんから聞いた物語。

恒例だったはずのテレビ放映から外されたのは原発を否定的に扱ったから忖度した結果と邪推されるような台本。過去から遠い未来に至るまでの長い物語をコンパクトに問題点と人々の想いを並べた上で、しかし自分たちが今参加している演劇祭も、あるいは演劇をつくるための電気も原発に依存しているのだという自省。さらには高校生が演じることで、未来は変えられるという強いメッセージを持つのです。正直に云えば、終幕があまりに「若者への希望」重すぎないかとは思いつつも、きちんと。

まあイイ年齢の男性二人が女子高生を演じるというのも思いのほか違和感はありません。いろんな場所で演じられることで広がる可能性を感じる一本なのです。上演がコンパクトに可能ということの意味はもう一つあって、権力が潰そうと圧力をかければむしろ広がるという、悲しむべきだけどきちんとそういうパワーが人々にあるということの頼もしさを喚起させるのです。

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