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2022.04.15

【芝居】「マリーバードランド」やみ・あがりシアター

2022.3.19 18:00 [CoRich]

やみ・あがりシアターの新作。110分、3月21日まで北とぴあペガサスホール。

南極で行われる結婚披露宴。そこに突然恋人が新婦を奪いに現れる。
旅行会社とウエディングプラン会社の若手社員二人が結婚することをきっかけに始まった合同プロモーションを目論んだ披露宴。さらに雑誌とのタイアップで盛り上げ、パッケージとして営業に繋げようと考え多額の資金をつぎ込んで社運をかけている。この二人でなくても、出席者の中から結婚するカップルを選んでもいいから、ともかく南極で結婚式を挙げたという事実がどうしても両社には必要で、結婚して3年別れなければ大金を支給すると聞いて、出席者は俄然盛り上がる。

シャンデリア風の天井の設えという場所。公共ホールゆえに、おそらくは披露宴とかにも使えるように想定した設計なのでしょう。それを逆手に取って披露宴会場という設定は、いいところに気がついたなと思うのです。

この結婚式が破綻する、しかも大金が貰えると聞いて、あっという間にねるとん紅鯨団(古いね、今風に云えば婚活パーティ)状態に。優しい若い外国人男性、遊び人的な男、真面目で仕事が好きな女、運動能力抜群な男、金が大好きな男、圧倒的に若い男、解像度高く目を付ける女子力高い女、あるいは離婚を決めている夫婦。

正直に云えば、紅鯨団以降はさまざまなシチュエーションをギュッと押し込んで少なくはない役者たち(披露宴だからまあまあ人数必要ですが)にきちんと見せ場をつくるがためにやや無理矢理な場面もあったり、ちょっとダレる感じは否めません。 しかし新婦は新郎と結婚したいのだと言い切る。終盤。 新郎ははすでに愛情は冷めているが、それゆえ新婦が不幸になるのだとしても、いや不幸になっても結婚すると言い切る新婦の決意。アイスケーキに赤いワインをかける終幕。大騒ぎのなか、唯一ひとつもブレずに貫いている新婦 大騒ぎのなか、一つ貫いている新婦、世間体とかショーマストゴーオンという大人の事情なんかものともしない強さがカッコイイのです。

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