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2021.12.12

【芝居】「コロナにまつわるホントどうでもいい話」チャリT企画

2021.11.7 18:00 [CoRich]

コロナ禍で作家が感じた点描という雰囲気の小品集。11月9日まで新宿眼科画廊。60分。12月18日まで配信中

11年経ってコロナ終息したけれど、咳したり味や香りを無くした人ほどマスクを早く外す。
♪コロナ、コロナコロナ とさまざまな節回しで
大会の前、陽性者が出て大会に出られない部活。誰が陽性者だったか。
向こうの部屋で咳をしている老人が居て、子供が救急車を呼ぼうというが、母親は取り合わない。

出演した女優がスタッフと話している。いままでに比べてギャラが多すぎる。スタッフは給付金があるので適切な金額を払うという。

「マスクを早く外す人々」の話は感染症の対策というよりはそういう雰囲気だからとマスクを着けたり外したりという人々。反知性主義とまでいうと言い過ぎかもしれないけれど、咳や味覚など明らかに問題抱えてる状態なのに周りの雰囲気が大丈夫そうだからマスクを外す人々の違和感。「節回し」はテレビテーマ曲やCM曲はては国歌まで耳馴染みの節に合わせてコロナの三文字を繰り返し載せるというワンアイディア。何かの批判ではなく、これだけ人の口に上る言葉なら人々の会話の端々にあったかもしれないシーンを切り取るよう。「陽性者の出た部活」は大会に出られなくなること、しかし個人情報を盾にその集団内部でもリンチになりがちな陽性者の特定をさせないのも理解出来るけど、でもなぁ。というもやもやした気持ち。「救急車」はまあ嫁姑の確執みたいなブラックな雰囲気。コロナ禍だからというわけでもない話ではあります。

おおきく5つの物語だけれど「演劇と給付金」にまつわる物語は小さなパートに分けられ他のパートの間に挟まり繰り返されることで、今作の幹となり作家の問題意識を感じます。小劇場演劇はわりと速い段階で給付金支給のための枠組みやノウハウが集積されたように思うけれど(twitterのタイムラインにそういう人が多く、外野から見てるだけの感想ですが)、「うまくやった人々 」の普段の活動に見合ってるのか、みたいな 違和感。今回の給付金のあれこれよりも、これまでの行政と芸術活動の関係の積み重ねが踏み込み不足のまま続いてきたということの発露でもあるよう。

一本の大きな話を構成するには少々小ぶりで、とはいえ今この瞬間を切り取る「ふざけた社会派」を標榜する彼らにとってはこのタイミングを逃すわけにはいかないという雰囲気のオムニバス。

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