【芝居】「TOKYO LIVING MONOLOGUES」DOLL-COLORED POP
2021.11.27 18:00 [CoRich]
11/28までSTUDIO MATATU SHIN-OCHANOMIZU。 劇場内にはスマホなどで無数に仕掛けられた配信カメラを観客もZoomに参加して映像や音を聞く体験込み。90分。
客席を囲むように四つの部屋。配信部屋の女は焼肉したりザワークラウトのAMSRしたり。乙女部屋の女装男は会社員で大量のサービス残業、会社に電話したけど。本部屋の男は国粋主義あるいはネトウヨで信じ切っていて。ゴミ部屋の女はエロ配信的なこと、ぬいぐるみが孤独を癒やし、知り合いの男が訪ねてきたりする。
それぞれが自分の部屋に居て日々の営みをする人々。陰謀論ばかり目にして日本人が貶められてると思い込む人々のエコーチャンバー。 「号令が聞こえる」ということを拠り所にしてその日に備え続け、練馬の焼肉屋では芸能人と政治家が児童を搾取しているという「噂」で襲撃に盛り上がる人々。
引きこもりを続けていると、何か同感したものに関したものをフォローしつづける結果、全世界が自分とおなじ感覚を持つという錯覚を見事に描いています(私は意識的に絶対わかり合えなそうな人を(少しだけ)フォローするけれど)。一人で消費するコンテンツとしてのAMSR配信を耳に入れたイヤホンで聴くのも楽しい。
私が観た回のキャスト。 本部屋あるいはネトウヨの男を演じた大原研二は、迫力が凄くて、いろいろマッチョを信じる信念の造型。 配信部屋の女を演じた大内彩加、大量の食べ物、いい匂いなど手数の多い役だけれどAMSRの楽しさは彼女のおかげ。 乙女部屋の男を演じたホリユウキは、私の席からは観づらいポジションだけど、黙々と作業を続けて、できあがったモノを纏う熱量をきちんと。 ゴミ部屋の女を演じた湯舟すぴかは家の中がこんなでも、力を貰う存在のおかげで頑張る前半、後半は不穏に扉の外に飛び出し、血まみれで戻るというわりとショッキングなシーン。切実な想いを抱え続ける人物像がきちんと立ち上がるのです。
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