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2021.11.29

【芝居】「水深ゼロメートルから」SPOTTED PRODUCTIONS

2021.11.3 19:00 [CoRich]

2019年に四国地区高等学校演劇研究大会で最優秀となった徳島市立高等学校の戯曲。2020年の高校演劇全国大会に推薦されるもコロナ禍で映像配信のために映像化( https://note.com/sanpobito/n/n68afc3c050bc YouTube) された作品を「高校演劇舞台化プロジェクト」として上演。 徳島県高等学校演劇協議会から、 戯曲のダウンロードも可能です。11月7日まで「劇」小劇場。

夏休みのプール。プールの授業を受けなかった補習として炎天下プール清掃をする二人の女子高生。グランドでは野球部が練習をしている。 水泳部でずっと早かったエースは、幼馴染の野球部エースに初めて競泳で負けてしまい水泳をやめたくなっている。先輩が心配して訪ねてくるが、彼女自身はもう水泳をしていない。

夏の日のある一日。4人の若い女性と1人の女性教師たち。水泳で男子に負けたことの悔しさに折り合いがつかない1人、化粧もして「一軍」で可愛くなることで女としての道で生きていこうとしている1人と、子供の頃から馴染んできた男踊りが成長し女踊りに変えさせられることを受け入れられない1人。もう1人の水泳部の先輩は頑張ろうとはいっても、「女であること」を受け入れ半ば諦めていることもあるし、女性教師もまた理不尽だとは思っているけれど規則で縛る側の立場で、いわば社会を体現しています。

化粧もして「一軍」と思われているクラスメートはルッキズムもそういうものとして受け入れ、「女として」の一歩二歩。可愛くなることも努力だということ。一方で生理なのに手続きをしなかったからとプールの授業を受けさせられ、それを強要した女性教師をどうしても受け入れられないこと。子供の頃からずっと踊っている阿波踊りの男踊りをなぜ女踊りに変えなければならないかと思うこと。男女をあまり強く区別することないこどもの頃から、成長すると、身体の機能、体力も、あるいはジェンダーとしてさまざまに「女であること」を強要されていくようになる女子高生たちの年代。「彼女たち」が経験してきたであろう様々なことがぎゅっと濃縮され詰め込まれた時間、 もちろん男性であるワタシに本当のところは理解できないのかもしれないけれど、彼女たちと同じ視線で見続ける1時間強は、その断片が身体に染みていくような感覚があって、理不尽さを浴びているように感じるワタシです。

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