【芝居】「そして、死んでくれ」M2
2021.10.16 15:00 [CoRich]
二・二六事件の将校たちの物語。100分。10月17日までラゾーナ川崎プラザソル
国の問題を政治の腐敗と捉えた青年将校たちは満州に派兵される前に昭和維新、尊皇斬奸、天皇親政を実現し、政治腐敗と農村困窮が解決すると考えていたが、叛乱軍として鎮圧される。
いくつもの映画やドラマで描かれる二・二六事件、そのただ中にいた青年将校たちの視点で描きます。 自分たちは恵まれている立場であることを自覚していて、農村からの兵士たちがいう農村の困窮、ひいては人々の暮らしが立ちゆかなくなりつつある原因を政治腐敗に求め、それを正すだけの力と立場が自分たちにあり、決起することは正義だと信じて止まない人々。彼らの中にもグラデーションはあって、決起に慎重だったり、気のはやる急進派のぶつかりあい、あるいは決起の中でも、とどめを刺さなかったある種の甘さや後悔、あるいは負傷し病院で成り行きを座してみているだけの無念さ。歴史に描かれるとおり、将校達は投降するのだけれど、これほどのことをしでかしてしまったがために家族たちをも巻き込んでいて、あるいは「死んでくれ」と手紙を受け取ること、そして自害をする何人か。
もちろん彼らが生きていた時代を直に知ることは出来ないし、ある種のエリートである彼らの矜恃は時には自害をも選ぶほどの強さを実感することはできないのだけれど、それを現在に引き寄せてエリートに正義や矜恃はあるのか、と思ったり思わなかったり。
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