【芝居】「ヨコハマ・ヤタロウ~望郷篇~」theater 045 syndicate
2021.10.2 14:00 [CoRich]
theater 045 syndeicateの傑作キャラクタ、死者の思いを聞き習いを受け継ぎ背負いさまよう男の物語( 1, 2)の続編。10/3まで、なんと大舞台、KAAT・大スタジオ。
気候が変わり砂嵐吹きすさぶ日本。賞金稼ぎに追われ続けるヤタロウは地元・横浜に戻ろうとする。新たな市長が高所得者の住む第三地区だけに砂嵐を防ぐために立てた壁のあおりで亡き妻の墓はなくなっていることを知る。市長はさらに犯罪者を滅ぼす寄生虫を市民に埋め込もうとしている。
市長はかつて病気の娘を励ますためのピストル競技でヤタロウに八百長を申し入れ断れられたことを逆恨みしている。ヤタロウはその時の金メダルを妻の指輪にしたいと思っている。
三姉妹の占い師はヤタロウの死期を占い、市長とは赤い靴の少女が歩き不良少女にならない限り負けないと告げる。
マッドマックス風の荒廃した世界を舞台に、人の思いを背負ってしまう主人公、戻るべき故郷としての横浜など、いかにも男子が好きそうな要素を詰め込んで語ります。キメキメのオープニング、ケロリンの洗面器をつかった裸芸。
かと思えば表向き相槌を打つことぐらいしかできない市長という造型はほんの少し前に替わった横浜市長をそこに暮らす私が未だに払拭できない雰囲気が重なって面白いのです。三姉妹の占い師、条件付きで絶対勝てるというのは「マクベス」のあれ、まさかこの物語にコレが入るとは思わなかったので不意打ちを食らう私です。
終盤、亡くなってしまった若い二人の漫才師を引き受けるヤタロウ、付き合わされる相棒。死人と葬儀屋の漫才を繰り返すうちに、すっとへたり込み、しかし話しかけ続ける相棒。まさかこれでオシマイには、まあならないという終幕にグッと来てしまうワタシはだいぶ歳をとった、ということかと思ったり。
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