【芝居】「ザ・シェルター」ベイサイドリーディング
2021.8.7 15:00 [CoRich]
横浜ベイサイトスタジオでリーディングをする実験室公演、ワタシは初見の北村想の1980年代作品。73分。コロナ禍の中、真っ暗にはしないで空気の流れを作りつつという上演が安心の劇場です。(小さい規模だからできるけれど)
会社で作っている核シェルターの販売に先立ち社員の家の庭に仮設したシェルターで家族が3日を過ごしてレポートを送ることになる。社員である夫、その妻、娘、夫の父親の4人家族の実験が始まる。
40年以上前から繰り返し上演されている戯曲。再び核戦争があるかもしれないなか、しかし発売前のモニターで社員がシェルターを試し、地下にこそ埋めてないけれど、コンピュータの誤作動で扉が開かず、水も無くなって家族がちょっとパニックになって、しかし日常に戻るというやや牧歌的な距離感も時代を感じさせるのです。しかし、その物語が古びているということはありません。
モニターという実験に巻き込まれる家族たち、時間をどうやって潰すかに戸惑う時間、突然の停電にややパニックになる夫、しかし花火のためのロウソクが使えると機転を利かせる祖父(核爆発の後ではシェルター内で酸素を消費するのがいいかはともかく)など、家族が助け合うという構図は台風の思い出になるのです。ファミリードラマに着地する物語は、人々が会いづらくなってる今だから安心が嬉しいのです。
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