【芝居】「誰かの町」タテヨコ企画
2021.3.28 14:00 [CoRich]
ソーントン・ワイルダーの「わが町」をモチーフに現在の日本に置き換えた130分。3月28日まで小劇場B1。予定されていた大阪公演はキャンセルに。
役者の地元でその育った街を取材することで劇作に役立てようと劇作家と役者が地方都市を訪れる。 新聞記者の息子として地元で育ち、向かいのクリニックには同い年の娘が住んでいる。
もととなった「わが町」はストレートな上演は実は観たことがなくて、幾つか日本に翻案したものを観ています(「わが町・池袋」(平田オリザ、あるいは横浜を舞台にした小鳥クロックワークなど)どちらもあまり寂れた町ではない都会を設定したために雰囲気がずいぶん違うけれど、今作はベッドタウン的な「バスの終点が新幹線の駅」というほどほどの地方を想定していてそういう意味では原作に近いのかも知れません。「日常生活」「恋愛と結婚」「死」の三幕構成なのも原作通り。
地元を出て、その土地を久しぶりに訪れた役者(西山竜一)とその先輩の劇作家(舘智子)の二人の会話で語られる語り口はリズムがよく、コミカルさもあって楽しい工夫。テレビでハワイ旅行が当たったり、ママさんバレーの大会のコミュニティ、同級生たちが集まるのはその同級生の家が営むラーメン屋など、絶妙に時代と場所を描きます。進学のため、あるいはなし得たい仕事のために地元を離れることも東京からほど近い地方、という感じによく合っています。
積木のような少し大きな木製のブロックを組みあわせながら場所を作り上げていくのは積木のようで、どこかファンタジーの雰囲気を纏い、物語の中、という世界を効果的に表すのです。
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