【芝居】「オレステスとピュラデス」KAAT神奈川芸術劇場
2020.12.6 15:00 [CoRich]
杉原邦生演出のギリシャ悲劇シリーズ、瀬戸山美咲の台本での上演。12月13日までKAAT神奈川芸術劇場、大劇場。130分。
母殺しの男(オレステス)は復讐の女神たちの呪いから解放されようと、神託に従い従兄弟(ピュラデス)、救われる場所へ人々を率いて遠くタウリケへ向かう旅に出る。
従兄弟の父親に旅の金の無心をし、奴隷船の男色の船主から逃げ、泳ぎ着いた島で出逢った盗賊や少女、ギリシア軍に滅ぼされた村で復興に人生を捧げるギリシア人との出会いなどの旅を経て。
ギリシャの物語に隙間を見つけて、作家が想像した物語を紛れ込ませる趣向。ずっと旅をする人々に次々と出逢う人々を大鶴義丹、趣里という二人の役者でというのも面白い。奥行きもタッパもある巨大な劇場空間を自在に使い、遠近感、高さにビックリする感じなど、二階席から観ても楽しそうなのです。
作家が紛れ込ませた物語は、戦争のあと酷い目にあったり残された人々を目撃する旅というテーマに思います。戦争では敵を殺すことが正義だったけれど、終幕では、初めて生きている「人」を殺してしまったと実感する(殺された少女は神がどこかに飛ばしたというのも救いの物語かも知れません)成長の物語なのです。
時にラップ、時に歌い上げる音楽も印象的。個人的にはTCアルプの武居卓がきっちり謳い上げのを観て嬉しくなったりもするのですw。
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