【芝居】「King of Mask」スクランブル
2020.9.2 20:00 [CoRich]
スクランブルの新作は、コロナ禍のもとでのCM制作の現場をめぐるコメディ。青少年センターHikariで70分。 ゲネ映像+特典映像の配信付き。
コロナの中でマスクのCMを撮る現場。時節柄スタッフは絞られ、厳しいガイドラインの中で撮影が行われているが、 撮影はなかなか進まず、今日はまだ一秒も撮れていない。マスクのデザイナー、代理店、タレントの事務所社長なども 訪れて、あれこれと口を挟む。カメラマンは仕事と割り切っていて。
CM撮影という目標には向かっているものの、金のための仕事と割り切ったり、思いつきで素人が口を挟んで監督の統制がまったくとれなかったり、バーターで押し込まれたのに事務所社長のお気に入りだからと勘違いしてスタッフに手を出そうとする若いタレントがいたり、あるいは恋人を現場スタッフに入れようとしたりと、いろいろ進まない現場。コロナ対策のために示されているガイドラインが細かいのに読んでないスタッフや、禁止されてる差し入れ、あるいは登場人物達がマスクをしたまま舞台上に居たり、あえて外に向かう扉を開放する場面を作って換気に配慮したりと、2020年だからこその制約とアルアルなシチュエーションを物語に自然に盛り込んで進む物語。
CMクライアント社長の思いつきに同調してどんどん勝手に進めるカメラマンは人気・実力のあるタレントだけで進めようとして、バーターの新人をないがしろにして、それに反発してのあれこれ、プライドのぶつかり合いがドタバタというかちょっとイライラが暴発する終盤、後味の悪い幕切れだけど、それもまた作家の持ち味という感じも。
舞台上ではCMの撮影のためのカメラの他に、メイキング映像のための手持ちカメラがあって、特典映像ではこの存在を存分に活用していて、舞台と同時進行でそのカメラに映ってたものという遊び心が幾重にも楽しいし、芝居中の役になりきったままでのインタビュー映像、撮影しているCMそのものも特典映像になっていて嬉しい。配役表はその配信のコメントについていて、映像と合わせるとどの役者がどの役をやっているかがわかる、という算段。劇中で使われるマスクがチケット代わり、ファンアイテムでもあるし、着けたらそのまま出入り自由なチケットなる感じも面白い。
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