【芝居】「ひとよ」KAKUTA
2020.9.5 18:00 [CoRich]
2011年初演、 2015年再演の作品。 コロナ対応のための換気休憩15分を挟み140分。本多劇場で13日まで、そのあと eplusでのストリーミングが9/19から23日まで予定されています。そのあと、穂の国とよはし芸術劇場PLAT。
物語の骨格はもちろん変わりません。あの夜に変わってしまった家族の姿を丁寧に、描き出します。 今回の大きな違いは、夫を殺して時効まで逃げ切った肝っ玉母さんを演じた、渡辺えり。久々に戻った家で上滑りするのは物語の要請ではあるけれどそのバランスの難しさ。声量の圧の強さは肝っ玉感がその雰囲気にしっくり美点、ドライバーでのスーツ姿がやけに似合うのは新しい発見。
もう一つの変化は長男の妻を演じた桑原裕子と長女を演じた異儀田夏葉で、再演とクロス(入れ替わり)になっていて楽しい。長男の妻はよりメロドラマな大げさな感じで楽しく、長女の夜の女な感じも楽しく。
変化しない役を演じた役者は座組の安定感。長男を演じた若狭勝也は、吃音というとても繊細な属性の人物をきちんと。新人ドライバーを演じたまいど豊は年齢を重ねた男の深みがより深く。レゲエ風の男を演じた成清正紀はかき回し、笑わせ、ときに泣かせるある種の背骨になっているのです。
コロナ対応としては、席が一つおきの指定で、パーティションも小さいながらついていて、荷物もその開けた席に置くように指示されていて、(乗ったことはないけれど)ビジネスクラスっぽく快適。(劇団としてはたまったものではないだろうけれど)。予定されていたトークショーもQRコードを配布して家で観られるようにしていて徹底しています。
いわゆるチラシ束の配布はないものの、無料で配役表を持って帰れる旨のアナウンス、有料パンフはわかりやすい相関図がありがたい。
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