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2020.05.05

【配信】「ラグランジュブランチ」あひるなんちゃら関村個人企画

2020.4.12 17:00 [CoRich]

もともと予定されていてた公演をtwitcastingによる有料配信。50分。

そこそこ繁盛しているラーメン屋。バイトの女はある日店長に店のラーメンが美味しくない、コロニーに他にラーメン屋が無いから繁盛してるだけだと指摘し店長はショックを受け居なくなってしまう。残されたバイトの女二人でも店は回り、味が良くなり、相変わらず繁盛して一ヶ月半、店長が戻ってくる。

あひるなんちゃら関村俊介による少人数の芝居のシリーズ。宇宙飛行士など宇宙を巡る物語で全体がゆるやかに繋がっていて、今作もその流れの中にあります。宇宙飛行士になりたい男たちを描いた物語から何世代かあと、コロニーに人々が移住しているという時代で、もっとも後の時代を描いています。一つに繋がったユニバースを形成している物語を観る連作の楽しさ。 (1, 2, 3, 4, 5)

とはいえ、物語で描かれるのはごく日常の雰囲気。序盤は「まずいけど繁盛してるラーメン屋」が「立地だけで持っている」とか、店長はいい人だけどラーメン作りの才能がないとか、アルバイトの女が思いのほかラーメン作りも商売も巧いとか、別に宇宙関係なくてもありそうで、おもしろい物語を骨格にしつつ、過去作品での宇宙飛行士、「ネコが宇宙から地球を見てもなんとも思わない」とかまぶされて、間違いなくユニバースの中の一本としてもしっかりと楽しめるのです。SF好きなら同じみのラグランジュ点、それをラグランジュ店(ブランチ)というタイトルもちょっと洒落ています。

店長を演じた関村俊介はいい人、あくまでも物腰柔らかでプライドもあるけれど、完膚なきまでに打ち崩されるおじさんの悲しさもちょっとコミカルに。ラーメン好きのバイトを演じた鈴木朝代は悪意無く実は素朴だけど、切っ先鋭く傷つけてしまう無邪気さがそれっぽく。宇宙飛行士になりたかったバイトを演じた生見司織は、舞台で拝見するのはずいぶん久しぶり、あの「カメラを止めるな!」でも印象的な彼女をこの小品で見られる楽しさ。

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