« 【芝居】「ありがとサンキュー!」青年座 | トップページ | 【芝居】「人人(NIN-NIN)」くによし組 »

2020.03.18

【芝居】「Better Call Shoujo」シンクロ少女

2020.2.24 18:30 [CoRich]

シアター711。125分、2月25日まで。

二人の姉妹の妹は子供のころに大きなネズミが出たと嘘をついたが信じて貰えず、友達と作った張りぼてを見た母親は心臓麻痺で死んでしまった。大人になって、姉は結婚し幸せだ。妹は母の死のトラウマは乗り越えたと思っている。父親は若い女と一緒に暮らし始めているが、どこか姉妹に厳しくあたる。父親は近所の飲食店のバイトの男に目をかけていて、家族の集まりに呼んだりしている。バイトの男には妹が居て難病を患っている。

海外の人気連続ドラマ「ベター・コール・ソウル」(未見)を意識したと思われるタイトル、家族をめぐる人々の物語。歌や曲含めてゴキゲンでお洒落なような、ちょっと大人の情けなさとか、子供から大人にかけてのグラデーション。 さまざまなことが並行して起きて、2時間超えにもかかわらずずっと飽きずに観られるという人気の海外ドラマの雰囲気を纏います。こういう日本の演劇は小劇場から大きな劇場の商業演劇に至るまでワタシの知る限りは唯一無二で、それを小劇場演劇のごく少ないキャストで実現する座組の面白さ。

故意ではないとはいえ母を殺してしまった娘が成長しモデルとして働くようになった頃の家族や幼なじみを巡る物語。子供に恵まれなかった姉夫婦、難病で先のない妹を支えるアルバイトの男、モデルの友達やマネージャなど。正直に云えば少人数ゆえに都合が良すぎるぐらい人々が近いのだけれど、そこの関係に濃淡が感じられるのが作演の名嘉節で作り上げられた一本なのだなと思います。

母を殺してしまったと思っている女を演じた小野寺ずる、素朴なまま大人になったと思ったら終幕で全く違う顔を見せる振り幅が凄く。父親の若い恋人を演じた作演を兼ねる名嘉友美、役者として観るのが嬉しいワタシですが、序盤のいけ好かない感じも面白い。姉を演じた豊田可奈子は、しっとりフラットな造型が諦めたからだとわかる瞬間を作るチカラ。バイトの男を演じた細井じゅん、背負っているのに軽やかであり続ける造型がいいのです。

|

« 【芝居】「ありがとサンキュー!」青年座 | トップページ | 【芝居】「人人(NIN-NIN)」くによし組 »

演劇・芝居」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 【芝居】「ありがとサンキュー!」青年座 | トップページ | 【芝居】「人人(NIN-NIN)」くによし組 »