【芝居】「私たちは何も知らない」二兎社
2019.12.21 18:30 [CoRich]
平塚らいてうと青鞜を発刊した女たちのものがたり。 休憩込み160分。埼玉から、東京芸術劇場シアターウエストの後は、カメリアホール、兵庫、松本、三重、豊橋、滋賀、愛知、石川。
平塚を中心に青鞜を発刊した女たち。自分たちの言葉で語りだしたが、世間からは過激だ思われる行動も多い。女たちは結婚や出産で一度は手にしたはずの自由がままならない。
主に大正・昭和の時代の物語だけれど、現代の洋装で演じられ、背景を切り裂いたように斜めに走る亀裂はときに砂浜の斜面、ときに別の場所を切り取ったワイプのよう。語っている時代は昔なのに、現代的でポップな雰囲気をまとって語られる物語は、実は女たちの置かれた立場が、程度の差はあれ、根本的には変わっておらず、地続きなのだということを感じさせるのです。進んだ生き方、考え方であったとしても、女たちは結婚や出産によって古い因習に戻る道を選ぶざるを得ず、続ける道を選んでも子育てを全て女が背負わされることで穏やかに考える時間の捻出が難しくなり。才能やそれを支える人々の集まりが解体されてしまうことも。
物語自体は戦前のある地点まで描きますが、そのあとにそれぞれがどういう人生を歩んだかを夢を通して描く終盤。国策に同調することもあったり、女たちの主権の回復に全力をあげようと奔走したり、時代によって人は変わっていくことももちろんあって、しかし全体としては前に進んでいる女たちだと描くのです。
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