【芝居】「トウキョウノート」青年団若手自主企画 vol.80 堀企画
2019.12.27 14:00 [CoRich]
平田オリザの「東京ノート」をもとに、青年団の役者・堀夏子が翻案・演出する60分、アトリエ春風舎。
暗い照明、ぼんやり灯る明かりに人が現れる。前半は美術館に集う人々、東京ノートと同様、欧州の戦争、戦争に行く若者、相続した絵を美術館に寄贈する若者、美術館を訪れるカップルなど、その場所に集っていた人々の点描。
後半は、カメラを持った女と家族達。壁際に現れる人々は、あるいは床下に空いた穴から声が聞こえ、恐らくは亡くなっている人々。カメラを持っている女が唯一生きていて、しかし彼女もその後倒れるのです。
元々の東京ノートは、戦争のきな臭さが遠い欧州で起きていて、しかしそれはどこか他人事の家族や、あるいはそれを切実に感じ取る若者達の物語という対比の面白さがあると思っているワタシです。あの時よりはもっと世の中は不穏になっていて、未来への希望よりも過去の回顧で生きるしかなくなっている、という絶望にも似た気持ち。
全体に暗い照明は、なるほど廃墟の雰囲気であったり、亡霊のように現れ消えるという演出上の効果が高い。元々の東京物語をここまでの絶望の物語に解釈するという新しい発見なのです。
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