【芝居】「イケてるともだちX」なかないで、毒きのこちゃん
2020.1.11 19:30 [CoRich]
125分、スズナリ。
三人姉妹と父親が一緒に住んでいる。母親は亡くなっていて、姉妹と父親の間はぎこちなく、特に長女は嫌悪している。次女は結婚し子供を設けたが、離婚している。三女は高校生で、女子ばかりのオカルト研究部に入っている。
ある日、家の物置で初老の男が裸で居るところをみつけた父親は、意気投合し一緒に住まわせることにする。オカルト研究部には転校生の男子が入部してきて、みんな心を奪われて挙動不審にすらなる。
物語にはさらにMIBよろしく黒スーツにサングラスの男たち、あるいは離婚した父親とドライブでぎこちない一日を過ごす幼い姉弟が描かれます。言葉にしなければ分かり合えずめんどくさいなぁというセリフが時折挟まったりして、おそらくは宇宙人の話だったりするのだろうなということはわかるのだけれど、三姉妹と父親と裸の男、次女の夫と子供二人、三女の高校のサークル仲間と転校生、MIBの男三人とウーバーイーツの男、という四つの場面が細かく行き来しながら進む物語。ET的な物語なのだろうと思いつつも、あまりに場面が分散したまま進むために、正直にいえば、これがどう収束していくのか少々不安にはなるのです。
終盤でするすると収束していくのは見事で、地球の危機らしい話はトラックに轢かれるという一瞬で解決し、父娘の物語はうまくいったようないかないような、しかし前向きな感じにはなり、女子高生の(うちの一人)の恋は成就し、小劇場としては見事なSFX(ではないか)で拍手すら起こるハッピーエンドは、手作り感いっぱいだけどエンタメしようという心意気がいい。
裸で現れる男を演じた森田ガンツ(いつの間にか劇団員に...)の登場の絶妙さ、そのあとの半笑いのおじさんなたたずまいがいい。瓜生和成もそのおじさんの領域の緩さの向こう側に抱えて言えない物が渦巻く深さ。幼い息子を演じた植田祥平の怪演のインパクト、方向は違うけど、女子高生を演じた大場靖子のインパクトもちょっと凄いけど、ラストの感動もちょっといい。
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