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2019.12.28

【芝居】「殊類と成る」肋骨蜜柑同好会

2019.12.7 14:00 [CoRich]

130分。12月10日までGeki地下Liberty。

気がついたら見知らぬ駅のホームに立っていた男は物乞いにタバコをねだられる。子供の頃は天童とまで言われ人を見下していたが、今も実家住まい。詩作を志すが書けず、同級生からも遅れた気がして劣等感。 あるいは自信たっぷりの男、同僚の女教師や女生徒たちからも人気があり、女生徒を家に招き入れたりもするが、人との距離のとり方はわからない。

中島敦の「山月記」(青空文庫)をモチーフにしたような主人公。当日パンフによれば、同じ作家の「狐憑」(青空文庫)や役者たちと会話し作り上げた創作を交えて、群像劇のように描かれます。

時空間が激しく移動し、幾つかの物語が絡み合って進むので幹のように委ねられる物語が中心にあるわけではないので物語を期待すると戸惑う感じ。主役となる二人はときに傲慢さ、不遜さであまり近づきたくない感じではあるけれど、その裏側に隠した人との距離のとり方などの不器用さや、それゆえ人が離れていくことや成長できないことなどが見えてきて。

後半、山月記のように過剰な自意識の男が走り虎になるシーンは強烈な疾走感があって、印象に残ります。終幕は時間が経って花見での再会、平穏な日々に人々が戻った感じ。そこから繋がり作家自身がキャットクオークから花咲かじいさんよろしく桜の花びらを撒く感じは、ちょっとズルいけれど楽しい。

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