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2019.12.02

【芝居】「てんらんかい」天明留理子=旭堂南明 講談&ひとり芝居

2019.11.9 19:00 [CoRich]

講談師・旭堂南明としての活動を始めた天明留理子の一人芝居企画。 講談仕立ての「りく~忠臣蔵異聞」と一人芝居「マクベス夫人」の二本を短い休憩を挟み80分。目白・ゆうど。

松の廊下のあと、遊女を貰い受けるといい妻・りくを母とともに豊岡へ戻し離縁する大石内蔵助。りくは密かに遊女を訪ねる。「りく〜忠臣蔵異聞」
夫の武運を祈る夫人の前に三人の魔女、子は産めないと引き換えに夫の出世を約束するが、後継を心配するようになる「マクベス夫人」

ひとつは講談、ひとつは一人芝居という形にはなってるものの、着物に演台という講談のスタイルは、どこかゆるやかに溶け合うよう。

「りく」は、敵討ちをさとられないために遊び呆け遊女を貰い受けるとまでいった大石内蔵助のエピソードを主軸に据え、妻として名高いりくの視点で描きます。後日出家をすることになるが、その遊女に密かに会いに行く道すがらで訪ねた寺の尼に、は時空がぐるりと歪み、後の香林院に繋がり輪になるように、史実にフィクションをするりと紛れ込ませる手際の良さなのです。

シェイクスピアのマクベスで夫の背中を押して悪事に手を染めさせたという描かれ方ですが、夫の出世が遅れることを気にして、自分が子を産めなくなることの引き換えとして魔女との契約で夫を出世させようとするのです。物語の中で名前が呼ばれず「マクベス夫人」という呼ばれ方をすること、名前で呼ばれていればこんな悲劇はなかったかもしれない、という終幕は講談の語りっぽさを醸し出すのです。

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