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2019.11.17

【芝居】「アイタクテとナリタクテ」フライングステージ

2019.11.2 13:00 [CoRich]

ゲイを主題にした芝居を描く劇団の新作は「大人と子供の」と題された70分。 4日までOFFOFFシアター。

小学校最後の学芸会で人魚姫の劇を上演することになった。配役の希望を聞くと、男の子が人魚姫を演じたいといい、親友二人も応援している。一人は王子と騎士の絵本に心を寄せていて、もう一人は母親を亡くしたあと二人の父親と暮らしている。

思春期前の子供の頃に男子が友達の男子や女子をどういう気持ちで感じていたか、あるいは幼くてもいわゆる「普通じゃない」と言われ戸惑ったかを丁寧に描く新作、なるほど、子供でも見やすく丁寧な物語。元々の人魚姫が悲劇的な終末だけれど、それを(あのアメリカの映画会社の作品のような)ハッピーエンドに、(著作権を伸ばし続けるあの会社の物語をなぞらずに)描くかという制約含めた命題の設定が上手くいのです。物語の流れとしては(雑に云えば)、男児や男二人が対等に惹かれ合っていることは自然なことだ、ということを手を替え品を替え描き出します。何かの規律があって、それに従わないものは排除するという価値観とは対立するものでですが、ワタシはさまざまな人が居場所を持てるという世界を描く今作を支持するのです。

社会にはいろんな家族の形態があって、(いわゆる)片親や、お父さんが二人、あるいは「普通」のなど、どれもが祝福されるべき子供で、しかし見解の相違があってもすり合わせていける柔軟さは子供ゆえというのも発見なのです。今作で描かれる人々、大人たちは自分と相手の想いに実に誠実です。見守る教諭もそうだし、最初は違和感を感じていても、本人が本気だと気づけば認める親も。現実はいろいろ厳しいとは思うけれど、全員に優しい世界があれば嬉しいという想いが濃密で切実なのです。

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