【芝居】「田園に死す」幻想劇場◎経帷子
2019.10.5 16:00 [CoRich]
信毎メディアガーデン1階ホール。
亡き母という詩は嘘で、母親は生きている。子供の頃の母子二人の生活、家には大きな時計があった。少年はサーカスの女に唆されて駆け落ちを企む。
寺山修司の同名の詩集 をモチーフにした一本。映画もあるようなのですが未見です。wikipediaでストーリーをみる感じではけっこう忠実で、映画監督が撮った自伝映画の中の少年時代の妖しさ、家出しようとする母離れの気持ち。駆け落ちは失敗に終わるし、母親は生きていて一緒に暮らしている。YouTubeでネタバレとして挙げられている映画の終幕、食事する中で家の壁が倒れると新宿の雑踏の中、というシーン、今作ではメディアガーデンの裏側が空き、生活を営む人々の向こう側へ物語の中の人物達が飛び出していく格好良さ。
タッパの高いメディアガーデンを目一杯使い、イントラで組まれた装置もシンプルで力強く格好良い。場所の制約でロスコが焚けなかったそうだけれど、それを感じさせないほどにパワフル。演劇祭でホストとしてさまざまな新しい場所や劇場でいわゆるアングラ劇を作り続けてきている蓄積と挑戦の力なのです。それは真新しいメディアガーデンという場所を確かに使いこなし、しかも外に開く終幕は松本という町に彼らの芝居を溶け込ませていくのです。
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