【芝居】「ジョン・シルバー」唐ゼミ
2019.9.23 14:00 [CoRich]
唐組の名作・三部作(未見)を、その意思を受け継ぐ唐ゼミで連続上演という企画。私は一本めのみ。横浜・みなとみらい地区の日本丸メモリアルパーク内の特設テント。
海賊だったジョンシルバーと暮らしていた女は彼の義足を携えて彼の帰りを待っている。双子の女、床屋、紳士、小男たちに出会い、波の音の中で彼の事を思い出す。やがて、三人の軍人がシルバーを名乗って現れるが、それはシルバーではない。
居ない人物への想いは日が経ちさまざまな人に出会う中でより強い物になっていくけれど、同時に遠い日の出来事は夢のなかの出来事のようでもあって、本当の出来事だったのか妄想だったのかがないまぜに語られていきます。いわゆるアングラ芝居なのですが、ワタシは世代はそれより随分後、たまたま触れているのも、つかこうへいぐらいなので、唐十郎の世界にきちんと触れるのは初めての体験。過去に観た芝居を思い出し、ああなるほどあれはこういう系譜の上にあるのだなということが改めて思い出されるのです。
どこか露悪的だったり、人懐っこかったり、あるいは何かを欠損していたりという登場人物の造型はまさに昭和のもので、今っぽいアップデートをしているわけではないけれど、直情的なパワフルな感じと、あるいは記憶の中の大事なものを繰り返し愛でるような内向きな感じが同居する世界の描き方は、なるほど人々を引きつけ、そして今でもそれが受け入れられているのだ、ということが納得できるパワフルさなのです。
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