【芝居】「モザイク症候群(シンドローム)」ぱすてる(第24回 まつもと演劇祭)
2019.10.5 10:00 [CoRich]
まつもと演劇連合会が主催する初心者向け演劇ワークショップ「ぴかぴか芝居塾」の17期卒業生有志によるユニット。芝居塾なので講師となる経験者も交えた上演。60分。上土劇場(ex. ピカデリーホール)
人の記憶が見える医師の男、いつも夢に出るのはマネキンを道路で倒しそれを避けようとしたバスの横転事故で、そのとき亡くなった5人が頭の中にそれぞれの人格として残っている。同僚の医師が離島で病を治す巫女を調査しに出かけるのだという。その巫女は夢にも現れ探して欲しいと訴えていた。島の村人たちは巫女を殺そうとするが、全てを止めるために、男はやりなおしたいという。
いわゆる多重人格を持った男と、過去の事故のトラウマ、謎の巫女をつなぐ物語。軽薄なセクハラ医者だったり、看護師として付いているのに実はその男の謎を解き明かそうとする研究者だったり。
巫女に迫る危機、それを回避するために10年前のあの事故を起こさないようにやりなおしたい男の医師は、事故のきっかけになったマネキンを倒したのは、あるいはそのバスの運転手は誰だったのかということまで遡ります。些細な行き違いがマネキン、事故と連鎖するのを止めるために、マネキンを倒した女の心のわだかまりを肉親からの手紙で解きほぐして、歴史を変えるSFまで盛り込んだ物語、実はかなり複雑な上、芝居塾の卒業生公演らしく、誰にも見せ場がちゃんとあるということも含めて、60分の上演時間には濃密に物語が詰め込まれています。
若い人がSFを読まなくなってずいぶん経つ、というのはまことしやかに言われるけれど、わりとガチにSFをきちんと若い人が演じるのが、ちょっと嬉しかったりするオヤジなワタシです。
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