【劇作家大会】「長野で演劇を創る 演劇で長野を創る」串田和美
2019.8.17 14:00
まつもと市民芸術館の芸術監督と館長を兼ねる串田和美へのインタビュー企画。聴き手は会場のサントミューゼ館長(OMS、AI HALL、びわ湖ホール、北九州芸術劇場を歴任の凄い人、ワタシ不勉強にして初めて認識)。
串田和美の芝居の原体験は芝居小屋で地方回りか地歌舞伎か記憶も曖昧だけれど莚掛けの芝居小屋で観た芝居の強烈な体験がもとにあるという話から。
東京生まれで東京育ち、日大芸術学部を中退し俳優座養成所、文学座を経て六本木で自由劇場を旗揚げ、更にシアターコクーンの芸術監督を勤めたあと、しばらくあちこちの地方を回り、これからは地方と閃いたといいます。たまたまその頃に声をかけられたまつもと市民芸術館の立ち上げに加わり、オペラやコンサートに使える劇場でありながら、小劇場の使い勝手を併せ持つスタジオを併設する劇場を作り上げています。
さらに、街に溶け込むように芝居をを作り上げるという開館後の活動に。なるほど、街なかでの大道芸、歌舞伎での登城行列、あるいは空中キャバレーも街中を模したマルシェという空間と劇場をゆるやかに繋げる試みなのだ、ということがこの2時間のインタビューで腑に落ちるのです。コンパクトな松本市街地だからできる距離感。街の人々が串田和美を顔見知りで、劇場を出た観客たちが街に散っても飲み込まれず芝居の後の残り香があるような距離感、たった4年しか住んでないけれど、コンパクトな街にハコモノの劇場だけではなく、活動を続けていって信頼を勝ち得たということがよくわかるのです。
劇場の人二人という丁々発止の会話、地方のありかたという視点を共有しつつ、かならずしも演劇関係者ばかりではないという観客に対する配慮のある言葉運びなど、面白く、しかも共感ばかりな時間なのです。
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