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2019.09.24

【芝居】「おへその不在」マチルダアパルトマン

2019.9.8 15:00 [CoRich]

元・ぬいぐるみハンターの池亀三太が立ち上げた劇団の二回目公演。16日までOFFOFFシアター。95分。

一緒に暮らす三人姉妹。葬儀屋で働き不穏な死が多発していることを知る少女、夫を亡くしたことになっているが、実は夫は公園のゴミ箱に隠れ住んでいる。おはぎ屋で働く次女は味を追求したいが師匠に目立たず美味しすぎないおはぎが大切なのだという。師匠は妻を亡くして娘と二人暮らし。おはぎ屋の娘と同級生の三女は合唱コンクールに執念を持つせんべい屋の息子に好意を持たれている。

おへそがなくなった、みたいなエピソードはありますがじっさいのところ実際のところ物語にはあまり関係はありません。表面上は平和に暮らす小さな町だし、物語の語り口も基本的には軽くてコミカル、どちらかというとポップで、大金持ちの煎餅屋の息子と三人姉妹の三女、おはぎ屋の娘をめぐって、不器用な中学生の片想いなどが描かれます。それなのに、夫は隠れ住んでいたり、不穏な死が多発していたり、裏社会とつながっている老舗など不穏な断片が徐々に姿を表すのです。

核となるのは前述の恋物語と相似になるように描かれる大金持ちの煎餅屋と、妻を亡くしたおはぎ屋の店主と娘の隠れた確執。悪代官と復讐に燃える隠密のような大きな物語になっていくのです。これだけの物語をもってきても、全体の体温が低いというか不思議な味わいで描くのです。

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