【芝居】「谷繁」タテヨコ企画
2019.8.31 14:00 [CoRich]
短編二本立ての上演。9月1日までsancha teatretto、そのあと大阪、静岡。75分。
演劇の稽古前の時間、噂話をする男女。公演のメンバーが別れたらしいとか、チラシ配りに来なかったことに腹を立てたり。自分もチラシ配りに参加できなかったのは妹の誕生日に家族でディズニーランドに行くからで、それを続けるのは絶対だからという「稽古前の時間、あるいは超能力に関するメモ」
倉庫らしい場所、引っ越しのアルバイトをする男女が倉庫でハイキと書かれた紙が貼られた人間を見つける。背中からはコードが出てきていて、コンセントに差し込むと「谷繁」
駅からは少々離れているけれど商店街から路地に入るとすぐの、ごく小さなスタジオ。初めての劇場です。
一本目で稽古している演劇が二本目の芝居になっている、というゆるやかな構造にはなっていますが、物語の上で直接はつながりません。「稽古前~」は男女二人の語りだけれど、会話の中に現れる人物を残りの三人が緑の全身タイツで演じるというスタイル。独特のリズムがあって面白い。明確には語られないけれど、別れたらしい男のふざけた返信に怒る稽古場に居る女、二人の間にはどうか何かあるっぽい雰囲気。あるいは38歳にもなって家族でディズニー、それは旅館を営む父母と妹が同居してくれて自分が離れ東京に住み芝居をしてて「好きにしていいよ」と云ってくれてることの気持ち。人に支えられてる感じのどこか暖かく、しかしちょっと申し訳なくもという味わい。
「谷繁」はSF風味。コンセントを差し込むと動き出すロボットのようなもの、捨てられるといって泣き、しかしコンセント外すと充電が足りず動けず、充電には12時間もかかるとか。アルバイトの男女はそれぞれの恋の話しがあって、女は社長との不倫、男はブラジルに行く恋人と別れるが、追いかけるかどうか悩んでたりして。うだうだとした会話の中で、そのロボットには十年ぐらい先のことがわかる、という特殊能力があって、男女の恋心に微妙にそれが影響したり。あまり大きな物語という感じではないのだけれど、不思議な存在とそれに影響を受ける小さな物語のミニマムさ、やけにコミカルだったりする味付けなのに終幕はちょっと絶望を感じさせるテイストなのも面白く。
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