【芝居】「空中キャバレー 2019」まつもと市民芸術館
2019.7.21 16:00 [CoRich]
二年に一回( 1, 2, 3, 4) 、松本でしか見られない祝祭に溢れた一本もいよいよ5回目。休憩20分を挟み180分。7月28日までまつもと市民芸術館 特設会場
開場後のマルシェでは大道芸やサーカス、やがたハメルンの笛吹きのように行列になって入場。いつものようにブランコ乗り・風に恋してハシゴを上がり空中を歩く兵士、それを見ながら空中を歩く許可証云々と揶揄するビスケット兄弟、火吹き男や吠えるライオン、人々の祭り。あるいは白いピエロたちは紙袋を片手にケロケロとうずくまり。やがて、ろうそくの火は空中を逆さに歩く女、ゴムチューブのブランコ、一本の高いしなる棒の上のフラフープや、綱渡りで行きつ戻りつな男女、「怪力男のオクタゴン」の歌。ゲスト・チャラン・ポ・ランタンのアコーディオンと歌で「空中キャバレーのテーマ」。バチカンアミーゴの物語はサボテンがジパングに行く話。スカート姿の大男のバランスボール、カラーコーンのジャグリング、自転車の曲芸など。
マルシェで行われる小さな劇場「シアターGURIGURI」は、仰向けになった男二人が鼻の下あたりに目玉をはりつけ、人形劇よろしくなパフォーマンスの爆笑編、たのしい。
しなる棒のパフォーマンス、高く渡されたワイヤーの綱渡り、自転車の曲乗りや空中ブランコなど圧巻のサーカスパフォーマンスは今年も健在。新たに加わった大男のバランスボールはごくシンプルだけどボールと一緒にバウンドしていくスピード感が楽しい。空中を逆さまに歩く女もちょっと凄い。
ブランコ乗りは少女というよりは大人の女という雰囲気に、全体をこの物語が包むという感じではなくなっていますが、ステージの序章でもあり、雰囲気の背骨であることにはかわりなく。
サボテンがジパングを目指す話は流れ流され、フラメンコ女や、手がかからないサボテン女を自嘲する女海賊に出逢ったりな冒険譚。落ち続けてきた男二人と後から現れたルンペン風の男が繰り広げるおかしな会話はかみ合うようでかみ合わず、それなのに何か楽しそうにきゃっきゃしてるかと思えばこの世には筋書きがあるのに書き換えられたとか哲学的だったりもして、スラップスティックな感じが、永遠に続くようで楽しい。
イベントとしての安定感はもう揺るぎないモノになっていると思います。全編を貫く祝祭感が徹底しています。とりわけ開場中休憩時間にマルシェで販売される酒・つまみが味も素っ気も無いビールと揚げ物、という感じから何歩も格段に進歩したのが嬉しい。同じ劇場内の食堂の提供なのだけど、その場で調理するおにぎりやラップサンドなど、ライブ感で提供するというひと手間は、そのパフォーマンスの世界のひとつに組み入れられて更に祝祭的になるのです。開場中に背負ってビール売ってくれるのも◎(酒のことばかり。すみません)
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