【芝居】「ダブルダブルチョコレートパイ(ビター)」肋骨蜜柑同好会
2019.8.3 19:30 [CoRich]
緩やかに繋がる男性だけ、女性だけの二つのバージョンを交互上演。ワタシは女性版だけ。90分。APOCシアター。
地球を失い宇宙船で人々が宇宙を彷徨っている。大富豪が持ってる宇宙船に運良く乗れた人々は食料どころか娯楽まで不安がない。離婚した夫婦が二つの棟を分け男女別々に暮らしており行き来はない。
危機的状況ではあるけれど、生命の危険も無くむしろヒマだけれど抜けられない日常を送る人々。男女が隔離された区画になっていて行き来ができないようになっているという状況で、恋愛とか性愛といった要素がそぎ落とされ、女だけのなかでカリスマ主婦や起業家のマウント合戦、母娘の確執だったり、すこし距離を置いている哲学者や占い師だったり、あるいは甲斐甲斐しく腰低く立ち回るマネージャーだったり。
一人事のような哲学のような考えがあちこちに顔を覗かせ、それはもう地球が崩壊してるのに地震保険を売ろうとしてることだったり、怒ってるか見た目で判断できない人は嫌いだとか、女だけなのにモテOLっぽい造形だったり、男装の麗人といった立ち振る舞いや、こまっしゃくれた幼さを残す哲学者だったり、なかなかに個性的です。
いっぽうで向こう側の男たち、たとえば元夫、上司、恋人などがどうしているか、と気になる気持ち。会えないから会いたい、手が届かない人に隣り合う嬉しさ。 全体では、科学者が実験していたネズミが菌を保有したまま逃げだし、男たちのいる区画へ入り込んで何かが起きている、ということが物語のヤマではあるけれど、それよりもそういうシチュエーションの人々のありよう、それぞれが何を考えるかということを描く、群像劇なのです。
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