【芝居】「けむりの軍団」新感線
2019.7.20 18:00 [CoRich]
20分の休憩、180分。8月24日まで赤坂ACTシアター、そのあと博多、大阪。
賭場でテラ銭を盗んだ男が逃げ、賭場に連れてきた浪人はヤクザに子分を人質にとられ逃げた男を捕らえてくるように脅される。その国の大名へ政略結婚でなかば幽閉されていた正室だが、同盟を反故にされ家臣たちが姫を救い出す。
木賃宿で浪人は追っていた泥棒を見つけるがそこに居合わせた姫と家臣が大名の追手との悶着に巻き込まれ、機転を利かせて追手を追い払う。姫は城まで送り届けてほしいといい道中を一緒にする。
拡大を続ける大名に目をつけられている寺は政略結婚の姫をだしていた武家との中間にあり新たな疑いを恐れ姫をなきものにすることで戦を起こそうと画策する。
倉持裕脚本、いのうえひでのり演出のタッグマッチの新作。 仕官先を探している浪人の男と、軽口をたたくなよっとした男が出会い、その元軍師や元殿様という背景が徐々に浮かび上がる大人たち。あるいは政略結婚で幽閉されていた姫や救い出した家臣などの若者たち。偶然出会った大人と若者たちが、領地拡大やさまざまな思惑に混乱する中で生き抜いていく姿を描きます。
大小2つの国の争いとその狭間で揺れ動く僧兵たちという背景も生き抜いていくために全力で考え抜いていくこと。物語を通して浮かび上がるのは、「居もしない敵におびえ武力を使う」と「怯えない強さ」という現在の私たちにつながる物語でもあるのです。
古田新太演じる元軍師、池田成志演じる民思う名君という大人たちの力まないバディ感。清野菜名演じる姫、須賀健太演じる忠臣の若者たちの目一杯さ、あるいは国を支えつつ次の世代に託せない母親を演じた高田聖子、脇腹と言われ技はあるのに思うように生きられない早乙女太一など、登場人物たちの厚みがこの芝居の魅力で、39(サンキュー)興行らしく、劇団員たちがその多くを支えているというのもファン感謝な雰囲気なのです。
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