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2019.05.07

【芝居】「偽義経冥界歌」新感線

2019.4.20 12:30 [CoRich]

12:30 休憩25分を挟み3h35。大阪、金沢を経て21日までまつもと芸術館大ホール。来年、東京、福岡での公演も予定されています。

追われた源氏の子孫、牛若を匿う東北・奥美の国。丁重に扱われる立場をいいことにわがまま放題の牛若だが土地の人々が大切にしている先祖を祀る祠に火を放とうとして殺される。殺した男は成り代わり義経を名乗り源氏の元に向かうが嫡子ではないために冷たく扱われる。嫡子である次男が心優しく、跡継ぎと認められている。 義経は戦場に赴き源氏の将として戦果を上げるが、遠く奥美の父が謀反によって殺されたことを知り急いで故郷に向かうが義経自身も殺されてしまう。 巫女はこの土地を守りたいが、内部からの謀反、源氏の思惑により奥美は劣勢を強いられる中、大陸から渡ってきた女の歌声により義経が、そして先祖たちが次々に蘇る。奥美の国を守るよりも死者たちの支配を目論んで亡者たちは暴れる。

奥州の藤原三代記という史実を物語の起点に、義経が東北の一族の成り代わりだったとい歴史上の仮説(けっこうそういう説あるよう)を巧みに織り込み、やがて大陸からの女の哀悼の歌によって死者が蘇り、あるいは同じ歌によって世界を支配しようとする亡者から人々を守るというファンタジーで物語を紡ぎます。久しぶりの「回らない」新作の新感線、迫力あるチャンバラをスピード感あふれる展開で笑いも多く交えてド派手なエンタメという満足感を間違いなく得られる一本なのです。

義経に成り代わった国衡を演じた生田斗真はあくまでポジティブで明るく、しかし若く疾走する感じでもあって格好良く。父親を演じた橋本さとし物語の幹になるどっしりとした迫力で演じきり印象に残ります。正室かつ巫女を演じたりょうはりんとして美しく、きっちりチャンバラで存在感。時にボヤキ漫才よろしくツッコミながら物語を語る山法師を演じた山内圭哉はコミカルばかりかとおもえば決めるところはパシッと決まる格好良さの落差がとてもよいのです。

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