【芝居】「フェアウェル、ミスター・チャーリー」theater 045 syndicate × 820 製作所
2019.5.2 19:00 [CoRich]
130分。神奈川県立青少年センター HIKARI。5日まで。受付の位置が今までより奥でホワイエ的な場所もあり、出口の方向も変えられています。
かつてアメリカ人が監督し日本人のライターや役者で製作した映画はごく一部でカルトな人気があって、横浜の川沿いの寂れた映画館で上演されるものの、客はごく少ない。監督、ライター、役者の子供たちが偶然その映画館で出逢う。街ではカジノ都市構想を掲げた市長が人気を集め計画が進んでいて、映画館の場所は地上げの標的になっている。港にはカジノ船が停泊していて、そこにいる黒幕をつきとめるべく、若者達が向かう。
横浜・野毛界隈、大岡川沿いのジャックアンドベティを思わせる映画館などノスタルジー溢れるかつての横浜の猥雑な雰囲気。そこにカジノ誘致をめぐる行政や利権を巡る影をきっかけに、古い映画の関係者の子供たちが次の世代として、巻き込まれていく物語。
過去の映画とその子供たちを中心に、少しばかり探偵・濱マイクを思わせるハードボイルドな話かと思っていると、巻き込まれるように廃止されなかった東横線桜木町駅や伊勢佐木町の松坂屋が存在している、という並行する世界に迷い込んだ若者達がカジノ船に向かう、という中盤。終盤ではそのカジノ船での銃撃戦からの破滅的なラストへと。 街の雰囲気や過去への多大なリスペクトがこれでもかと詰め込まれ、たしかにその要素の多さで立ち上がるハマの雰囲気はとてもよいけれど、後半になって出てくる超弩級アクション大作のような情報がともかく多くて消化不良な印象で、精度がもうすこし、あるいは全体が整理されていてほしいワタシです。
映写技師を演じた今井勝法は熱い演技で走りきる。軍人を演じた中山朋文は冒頭の英語の台詞がカッコイイ。女優を演じた洞口加奈は凛とした美しさ、ホームレスや市長などいくつもの役を演じた佐々木覚の多彩な人物造型、城戸啓佑のタヌキオヤジ感の一癖二癖、千葉恵佑の突っ走る気持ち溢れる若さ。
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