【芝居】「舞い上がれ、レジャーシート」マチルダアパルトマン
2019.4.30 14:00 [CoRich]
65分。すむぞう外苑前スタジオ。5月12日まで「ばいびー、23区の恋人」と一ヶ月間の交互上演。
なかなか書けずに焦る作家の男を後輩たちが毎週ピクニックに誘いに来るが、トラウマがあって行く気にならない。居合わせた編集者はピクニックに誘われハマってしまう。作家の兄も口説いた女をピクニックに誘おうとしている。誘いに来ている後輩たちは男女で男が女に下心がある。いよいよなんとかしようと、「ピクニック師匠」を連れてくる。
ピクニックをめぐるトラウマを持つ男と、そのきっかけとなった「伝説のレジャーシート」を中心に、ピクニックに連れて行きたい人やピクニックに全てをつぎ込む人々、あるいはピクニックを口実に恋を成就させたいなど をめぐる物語、そこに恋心が絡んだりはするけれどじっさいのところかなりシュールで不条理な感じ。ピクニックに拘る人々しか出てこないし、ウチ一人は落とし穴を掘ることがピクニックの醍醐味だ誤解しているけど誰もそれを指摘しなかったり。ピクニックに連れてってくれるからその男と一緒に居るけどほんとうは別の男が好きだったり。ピクニック原理主義なのに、みんながバラバラなベクトルの評価軸なので何も交わらないのだけど、しかし彼らはそこにいて、楽しそう。
あまり物語が何かを解決したり物語ったりはしなくて、その多幸感すら感じさせる世界の人々を箱庭のように描くことこそが、池亀三太節のひとつの魅力なのです。
一ヶ月に及ぶ旗揚げ公演。ワタシが観た回の後には1Fで劇団会議を公開で行うというイベント付き。アルコールも提供されたりしつつ、残り期間をどう告知し集客に繋げていくか、とりわけイベントでどれだけ盛り上げていくか、というような会議を。イベントによって劇的に観客が増えるという気はあまりしないけれど、この場所にずっと一ヶ月滞在してやっていく、ということはアウトリーチの一つの在り方ではあって、試みとして面白いのです。
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