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2019.04.25

【芝居】「22世紀まで愛して」ボタタナエラー

2019.4.13 19:30 [CoRich]

70分に11の物語をゆるやかに繋げます。アトリエファンファーレ。

1.喫茶店、婚活で出会った二人、物件みたりいい雰囲気。しかし店は騒がしく、女は兄を呼ぶ。兄は兄妹のこと、金が必要だと打ち明ける。
2.客を殴った店員は逮捕され留置所の雑居房に。同室の男は静かに本を読んでいたい。
3.本を読んでいた男は面会に来た姉と友人。示談金を工面できたというが、半生猿の写メを撮ったりもする。
4. 留置所の運動の時間。囲まれ空しか見えない。ジャージ姿の男二人、空や地動説に文句を唱えて盛り上がり。監視している男はスマホばかりみている。
5. (38番) 中3時代、友達が集まる部屋。女性の陰毛を売って大儲けとかで盛り上がるが、母親は勉強しろと容赦なく説教をする。
6. その姉、グレて職員室に呼び出されているが帰される。教師たちは若い頃の自分たちには意味があったと盛り上がる。ゴーゴーバーとかも。
7. 雑居房の二人、一人は学生運動の小説、もう一人は近未来の小説を。寝るとき夢が混じったらいやだなと思ったり。
8. 学生運動の時代、学生たちは新入生の女をもてはやす。上級生の運動にのめり込む女を訪ねて地元の幼馴染がやってきて運動をやめさせようとする。
9. 近未来、産業スパイを疑われた部長、実は超格差社会に憤りブルジョアの会長の暗殺を企んでいたが阻まれる。
10. 会長は別の会社の社長の来訪を受け、昆虫食の取引先が人間をやめてロボット派遣にすればと相談している。
11. 会長宅、クローンで再生された部長を女中に使っている。秘書や部下の女たちも実は会長に憤っているが、暗殺は再び失敗する。ロボット化された昆虫食工場に残った女が試作品を持って訪れる。

ごく短いシーンをつないで舞台を構成します。物語というよりは、ぎょっとしたり、カッとなったり過去の関係が見えたりと小さく気持ちが動くか動かないぐらいのスケッチが連なる感じ。人物や背景は繋がっているものの全体を俯瞰しても何かの大きな物語を描く感じではありません。たとえば映像でなにかのアイテムをキーにしてシーンを繋いでいくような演出のスタイルの面白さとか技術を楽しむ感じです。全体が短いこともあって、ちょっと実験っぽいスケッチな仕上がりは気楽に楽しめるのです。

軽い語り口に感じるけれど、それぞれのシーンで描かれている断片は作家が社会を切り取って見せるアングルなのです。たとえば格差が拡大する一方の社会だったり、わけもわからず一方的に盛り上がって迷惑な身内だったり、美人ばかりもてはやす感じやまったくの善意からくるお節介など。作家の怒りや困惑の視点がこの小さいシーンどれにも感じられて、ちょっと面白い。

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