【芝居】「THE Negotiation」T-works
2019.3.15 14:00 [CoRich]
110分。大阪のあと17日までシアターグリーン box in box(中劇場)。
高級ホテルに集うビジネスマンたち。新興で勢いとブランド力を持つ業界最大手のCEOとCOO、片や老舗で資金力に勝る社長と秘書。合併交渉のテーブルだが、座る場所からハッタリまで、互いに負けられない緊張感で臨む。条件面はそれぞれに譲歩するべきところを譲歩し噛み合っているが、一点だけ、合併した社名、どちらの会社名を最初に置くかだけは互いに絶対に譲れない。
大きな企業のエグゼクティブな二組、緊張感溢れる企業エンタテインメントの「ガワ」にちょっと翻訳口調で赤毛物(古いね)風の台詞回しを少々大仰にしてコミカルに。交渉の時に日差しを背にして眩しさで交渉を有利にするかとか控え室の西日が不快でダメージになるとか、あるいは相手の虚を突くようにわけのわからないことを口走って攪乱するとか、些細であんまり得策じゃ無さそうな策を弄する人々を描きます。
そういうエグゼクティブ風の台詞、同じ会社の同僚でさえその「仮面」をつけたまま会話をするのだけれど、高級ウイスキーにウマっといってみたり、ハニートラップは自分に仕掛けられたのかどうかに拘泥したりと役の上での素の人間が見え隠れしたりして、ごく等身大の人が背伸びしているおかしさなのです。じっさいのところ、物語としては延々やったうえでわりとしょうもない着地点なので、結果として何も残らない(褒め言葉)コメディになっているのです。
老舗企業の社長を演じた三上市朗の重厚に見えて小心者の戸惑いっぷりが健在。秘書を演じた丹下真寿美は真っ直ぐにみえて訳判らない暴走の楽しさ。新興企業のトップを演じた山崎和佳奈もまたきっちりてるように見えてちょっと抜けてる感じ、ナンバーツーを演じた森下亮はすらりとしてカッコイイのにおかしい感じ。
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