【芝居】「ハルサメ」あひるなんちゃら
2019.3.15 20:00 [CoRich]
75分。17日まで駅前劇場。
三人の兄弟、長男が飼っている亀を茹でようとしてた妹に怒ってるが次男がとりなしてる。いい歳のおじさんなのに長男の家で友人が誕生日会を開こうと盛り上がったり巻き込まれてる友人、会社の人も来たりしてるが、知らない女二人が紛れ込んでる。ネットで見て面白そうだからときてしまった。
ごく短い会話の積み重ねは安定のあひる節。ちょっとおかしな人とか巻き込まれる人とかの困った感じとかダラダラ(に見える)会話で構成。この劇団、ゆるく見えてじつはわりとタイトに作り込まれてると何本も観てから気づいたワタシです。
亀をゆでようとする妹の無茶にちょっと困った感じの兄は、更に友達がノリノリで誕生会を開こうとしたり、そこに知らない女二人が紛れ込んだりとわりと何もかも巻き込まれ、困り、ちょっとトホホな感じで全体を繋ぎます。無茶振りをする妹や友人、あるいは自由すぎる会社の同僚や見知らぬ女たちの側にはその中間にあたるような立場の人が居て、3人ないし4人のバランスがぐらぐらしながら進む会話を積み重ねていくのです。
終始気楽で笑いの多い芝居なのですが、男が家族や友人や職場という共有されているコミュニティの筈なのに明後日の方向にずれた人にちょっとだけ困ったことをされる、というズレの積み重ねの面白さであって、実際のところ大きな物語を紡ぐという感じではありません。が、その積み重ねの緻密さが心地いい、という意味で、緩く見えるのとは裏腹に精度はどんどん上がっている、ということでもあるのです。
それゆえか、常連級の役者たちは、巻き込まれる部屋主の男と、奔放すぎる無茶振りの人々の間に挟まれ揺れ動き時に困ってみたりという絶妙のバランスに配されています。弟を演じた堀靖明、同僚を演じた澤唯、友人を演じた根津茂尚など、確かに舞台を支えるのです。
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