【劇作家大会】「痕跡」 劇作家協会 (スペシャルリーディング)
2019.1.26 15:30
2014年初演、2015年再演作を劇作家大会に合わせて豪華なキャストでリーディング上演。
舞台に何本かマイクを立て、舞台奥に椅子を一列に。その場面に登場する人物がマイクの前に立ち、立ち位置で位置関係や塊を表現するスタイル。リーディングとはいいながら、たとえば雷の閃光の音や光をドラマックに音響・照明をつけるなど、かなり演出を入れた形になっています。舞台では創作の懐中電灯のシーンが好きなのだけど、そのあたりはト書きであっさりと。
物語そのものは知っていて、これだけの役者が揃うとなるとなかなか期待値も上がるわけで、そういう意味では序盤は全体に抑えた感じになっていて少しばかりに不安な感じに。しかし、多くの役に見せ場のようなものがある芝居でもあり、後半に向けて役者の凄みがどんどん見えてくるのです。 田中真弓の義妹かつ看護士がほんとに力量。声優でもあり厚みのある声はさすが本職の領域。小宮和孝が演じるバーテンダーののんびりだが思うところの意思人の良さ、クリーニング工場の社長を演じたラサール石井のがらっぱち、しかし後半にかけて抱えてきた重み。鍛治本大樹の演じた焼き肉屋店長の軽く見える雰囲気と裏に抱える闇のコントラスト。クリーニング屋作業員とデートをする女を演じた高畑こと美は屈託のない、しかし深みのある造型は印象に残ります。
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