【芝居】「トロンプ・ルイユ」パラドックス定数
2019.1.12 18:00 [CoRich]
110分。シアター風姿花伝。初日が一日遅れたため当初予定では14日だった千秋楽が15日になっています。
2011年初演作を再演。
「だまし絵」というタイトル。厩務員や馬主、予想屋といった人々と、競馬馬たちを役者がそれぞれに兼ねて演じます。人々が背負う背景や性格はそれぞれの馬にも似たところがあって、一人の役者を通して裏表に造型していくのです。
経営の厳しい厩舎で見合いの話が出ている調教師と、引退間近で種馬として引き合いの多い馬。馬が可愛くてしょうがない馬主とかつて活躍した高齢馬、予想屋の片鱗をみせる若者とまっすぐ走り続ける若い馬、当たらないぼんやりな予想屋と決めるときはばっちり決める競走馬、若き意欲的な調教助手と中央駅馬から落ちてきたサラブレッドなどの裏表。胸元の手綱の付け外しだけで役も場面も継ぎ目無く切り替わるのはまるで映像のカットバックをモーフィングで行うかのよう。
中央ではないにせよ、競馬馬たちにはそれぞれの力量に応じたレースに出場し、それぞれのゴールを目指しています。なるほど、それは人間たちの人生をレースに喩えるのの相似なのだと思い至るのです。初演はちょっとトリッキーな仕掛けに過ぎるように感じたのだけれど、あれから8年、芝居のクオリティが上がったのか、ワタシが人生のゴールについて考える歳になったのかどうなんだか。
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