【芝居】「宵闇、街に登る」JACROW
2018.12.22 19:30 [CoRich]
27日までB1。そのあと、新潟。110分。
佐藤栄作も三期を経て福田への禅譲が見え始めていた。角栄は四選を勧め、その間に秘密裏に田中派の旗揚げを画策する。自民党党首の投票は一位二位の決戦投票にもつれ込んだ。佐藤は二位になったものに一位への投票するように二人を説得していたが、中曽根派が角栄を指示し優位に立った。
今作は主に各議員の事務所を舞台にした内部のできごとと、テレビを通して世間に明らかになっていることの二つを混ぜ合わせながら物語を進めます。
登場する政治家たちについて、キャラクターが立っていてデフォルメされたものを覚えていますが、描いている時代は物心つく前で角福戦争は全く記憶になく、テレビ「3時のあなた」といえば寺島純子ぐらいの世代のワタシです。当然「越山会の女王」を巡ることも知らず、どこまでが史実かどこからが作家の想像かは詳らかではないけれど、エンタテインメントとして一気に見せきる馬力を感じる私です。
前作に比べてコミカルな要素も多く、事務所にあるテレビに映っている司会者を隣に座らせて突然消すと睨んだり、なんて細かい芸もまたエンタメとしての今作の力。
高度成長、格差の改善を狙う角栄だけれど、憲法改正に目配せして立ち位置を曖昧にして基盤を強固なものにするということの物語。その十数年後に自身もまた同じ憂き目にあうということのサーガ感もキレイな終わり方なのです。
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