【芝居】「GOLDEN TIME」スクランブル
2019.1.18 19:30 [CoRich]
20日までSTスポット。
劇団稽古のために待ち合わせる4人。ひとりの処に作演を兼ねる主宰が亡くなったという連絡が入る。ショックのあまり何も考えられないもの、劇団は続けて行きたいと考えるもの、起業のため休団を考えていたもの、最近入団したが結婚を考えているもの。ずっと続くと思っていた劇団だが抜けた主宰の穴は大きく。
小劇場の芝居の稽古っぽく、公民館の会議室といった風情のパイプ椅子とテーブル。ペットボトルが並んだりして、これから話し合いか稽古かという雰囲気だけれど、それは日常の延長線の上にあって。そこに告げられた主宰の死。その情報自体がちょっとあやふやで、徐々にそれが本当だと判るのに時間がかかるのはちょっとリアルな感じ。
必ずしも成功しているわけではない劇団、きっといつかは離れることになる、あるいは趣味として続けることになるのかとぼんやり考えていただろう矢先のこと。主宰なしでも芝居を続けようと考えるものもいるが、そもそも芝居から離れようと考えている人も居て、しかしそれを隠していたりして、主宰の死に際してどうしていこうかという気持ちが、すれ違い、あるいはやり過ごしていこうと考える人々のかみあわない会話が持ち味。
主宰の死を親から伝えられた女の存在は他の人々とすこしばかり特殊な位置付けです。互いの両親との連絡先の交換をしていたり、強いショックを受けていたり、あるいは唐突に主宰の名前を入れ墨として彫ろうと考えたり。明確な台詞としては示されないけれど婚約に向けて進んでいたであろと思わせます。唐突な入れ墨の話しでそれまで暗かった表情が明るくなり、すこしばかり狂気めいた表情になるのがおもしろい。芝居を続けようと考える男が場当たり的にプロポーズしてあえなく玉砕するのもコミカルです。
続けたい一人だけはあまり考えずに現状維持のつもりだけれど、他の人々は上の婚約の他にも夫との起業や結婚して農業を始めようとしていたりして芝居の日々からは一歩踏み出そうとしています。もっともその計画がずいぶんと軽くあやふやだったりもして、その確実性はずいぶん幅があるのですが。
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