【芝居】「そこまで言わんでモリエール」笑の内閣
2018.11.24 17:30 [CoRich]
京都を経て 25日までアゴラ劇場。 115分。「アレクサンドル大王」を上演中のモリエール劇団だが作家が契約に反して別の人気劇団での上演を許したことを知る。愛人や妻が女優として劇団の中に居たり、誰を抜擢するか、それぞれに役割をもたせて座組を維持しなければいけない状況の中での事件をきっかけにさまざまなことが噴出する。
いわゆる史実の隙間に挟み込んだ嘘をドタバタ喜劇に仕上げる一本。wikipediaでも読めるような史実ではあって、愛人の人妻、その娘を妻に、別の人妻を愛人にという人となりだったり、若い作家に肩入れして新作で評判を呼ぶ筈なのに裏切られたり、天才子役を寵愛したり。じっさいのところ全員が同じ場所に居るというわけではなさそうな時間軸の操作は感じるけれど、しかし、この劇団が、あるいはモリエールがどういう様子だったかを「喜劇として」感じ取ることができる楽しさなのです。観劇おじさんの描写はオジサン観客の今の姿にも地続きな感じもまた連綿と続くことだなと思ったり。
いちどは終幕したかにみえるけれど、カーテンコールの雰囲気で舞台にあがる作演は、プロレスのマイクパフォーマンスよろしく、いろいろな絶叫解説をするのも楽しい。喜劇は時代性でモリエールの喜劇をそのまま上演すると台詞は鋭く面白いのだけれど、オチがそれほど面白くならないとか、今でもこの時代の喜劇が残っているということのモリエールの凄さとか、twitterのない時代に場外乱闘よろしく他の劇団やあるいは宗教とか政治にも批判に描くということのある種の先進性、なるほど作演が劇団の源流のひとつ、というのもよくわかるのです。
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