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2018.12.11

【芝居】「リフラブレイン(毒づくも徒然)」MCR

2018.11.25 16:00 [CoRich]

新旧作品集の一本。2009年初演。ワタシは初見です。

親が行方不明で貧しい中で暮らしている姉弟二人、弟に金をせびる同級生を撃退したり、親の事故死を知り、弟を高校に通わせるために姉は水商売で働いて支えるが、姉が逆上するのが嫌で恋人の誘惑に応じない弟。借金取りは弟を離れた工場で働かせる。26歳までしか生きないつもりだった姉は会社の同僚に告白するところに弟を立ち会わせるが、告白を前に下衆に面白がる男を許せず弟が刺してしまい刑務所に服役する。自分が刺した男は姉と結婚しているが、 出所した弟が借金取りのもとで働くと看守だった男と姉が同棲している。

親に捨てられた姉と弟。口は悪いが互いに支え合うというか互いに依存し合っている関係。特に最初の頃は姉が弟を守り、弟は姉に従うということに何の疑問もなく縛られているのです。親の事故死を知った姉が何の疑問も持たずに弟の進学を支え、恋人に誘惑されても応じないのは姉のせいという弟でもあることが象徴的。

26歳で死んでしまうと信じ切っていた姉が見事に告白以前に敗れ、弟が犯罪者となったことで何かが吹っ切れたのか姉が見事に替わります。人にどう思われても自分が一緒に居たい男と伴にあることを優先し、弟が二番手に。それなのに弟はへの依存からはまったく抜け出せないのです。共依存で閉塞していた関係の片方がなくなっても、一方の依存からは全く抜け出せないままであること、終幕の「パンとミルクセーキ」に拘る弟の姿は、それがまだしばらくは、あるいはずっと続きそうだということを暗示するのです。

姉を演じた石澤美和は理不尽を絵に描いたような絶対的な存在という説得力。弟を演じた小野ゆたかの気弱さやチンピラっぷりという小さな存在、という対比が楽しい。いわばボケ倒す二人に対して、借金取りを演じた澤唯、やけに真面目さという造形できっちりと突っ込む存在を造形。看守を演じた本井博之のダメ男っぷりも久々に拝見して楽しい。

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