【芝居】「親展(毒づくも徒然)」MCR
2018.11.25 19:00 [CoRich]
新旧作品集、4本のうち、新作の一本。OFF OFFシアター。12月2日まで。
パンクバンドの4人とそれぞれの恋人たち。元カノの名前を寝言で言って嫉妬され好きということを禁じられた男はパンクの歌詞も書けなくなり、女は男の好きと言う言葉が聞こえなくなってしまう。
彼女の事が好きすぎる男、しか彼女の方がずっとパンクで、男のバンドが中途半端なことが不満。照れくさいことを英語で言うことにするカップル、唯一のバンドの女性メンバーは女性と同棲しているが、あと一歩踏み込まない。
パンクバンドの4人とそれぞれの恋人たちを描きます。過激に見えるパフォーマンスをしたり過激な歌詞を書いたとしても、ステージを降りた日常では恋人がいたりごくありふれたおだやなかな日々を送る一般人であることだったり。あるいは愛する言葉が伝えられないことだったり、想いが伝えられないことだったり。恋人たちはそれぞれの日常も好きだけれど、ステージの上での姿も愛おしいのです。
ワタシの友人はパンクな生き様で居続けたパンクロッカー・シドビシャスを思い出したというけれど、登場人物たちはむしろごくありふれた人々が多く、ごく穏やかな人々だけれど、好き合っているのに、違和感とは違うなにかすれ違ってしまう歯がゆさを感じるもやもや。時にぶつかり合ったりがそこかしこで細かに起こり続け時間が流れて人々は生きていく、という芝居なのです。
べた惚れされる女を演じた三澤さき、その男よりもよりパンクで芯がある格好良さ。見た目に地味っぽい造型の女を演じた石黒麻衣、内面からわき上がる叫びがまたちょっとズレた感じの面白さで印象的。バンドの紅一点を演じた加藤美佐江、ドラアグクイーンのようにエキセントリック。格好良さすら漂うのは新しい魅力。
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