【芝居】「カゲムシャ」モカイコZ
2018.9.29 18:30 [CoRich]
長野県・上田を拠点とする劇団のアクションエンタメ60分。まつもと市民芸術館で30日まで。
戦に明け暮れる乱世。殿が殺されるが、家来たちは街中でナマクラ刀と中古の鎧を売っていた瓜二つの男を見つけ、城へ連れていく。城の人々はみな殿と信じて疑わないが、その妻だけは偽物だと見破っている。乳飲み子を抱え、父親を必要とし国は守らなければならないと耳打ちし、殿として受け入れて年月が経つ。
忠臣の一人、ある日疑問を抱くに至り、偽物だとばらしてしまい、城を追われる殿は、街中でかつて一緒に刀と鎧を売っていた親友に再会する。
たった5人の役者だけれど、それぞれが多くの役を兼ねた趣向。舞台はほぼ素舞台で、ライトセーバーよろしく懐中電灯一つを刀に見立てチャンバラを創り出し。全体の雰囲気はごくシンプルなのだけれど、めまぐるしく入れ替わる役にスピーディに展開する物語、わりと王道な父子の成長譚という観やすい物語と相まって、力強いエンタメで印象に残るのです。
元の殿様は誰もが認める剣の達人で実力でのし上がってきたけれど、入れ替わった偽物は口八丁手八丁、子供や妻にきちんと向き合い育てること、国を維持してきたけれど、いざ戦いとなると大勢を相手に勝てる見込みがない、しかしそこに頭を使って「自分の戦い方」で立ち向かおう、という物語が心地よい。商売に使っていたナマクラ刀と中古の鎧を敵になってしまう自分の侍たちに言葉巧みに売りつけて、相対的に自分を強くする、という「オレの勝負の仕方」という決め台詞がカッコイイ。
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