【芝居】「パパは死刑囚」チャリT企画
2018.10.13 14:00 [CoRich]
125分。14日まで座・高円寺1。
結婚を決めた男女。新郎は18歳で本当の親は別で交通事故で亡くなったと聞かされていたが、実は実父は実母と祖父を殺したとして死刑が確定していたことを後で知る。新婦はそれを聞かされるが、自分の母親が交通事故で亡くなったあとに男手ひとつで育てた父親に告げられないまま結婚式当日を迎える。
死刑囚の家族が世間からどう見られるか、ということを巡る物語をチャリT企画っぽくコメディ仕立てに。結婚式当日の列席者たちのわちゃわちゃした雰囲気と、そのなかで隠していた「死刑囚の家族」ということが徐々に広まっていくさまはシチュエーションコメディになっていて確かにコミカルに。並行して、死刑囚として収監されている実父への面会、そこには再審請求の余地があると見る支援者たちの存在を描きます。
頑なに娘を箱入りに育てた父親も最後には折れて娘の幸せを願う、という大団円な流れは思いのほかいい話。ドタバタの中に紛れ込むブルゾンネタはイマドキっぽく楽しい。このドタバタの結婚式の話と死刑囚の刑務所の話、二つの時間軸は上下に分けられた舞台で進むけれど、その時間軸の差は徐々に縮まっていき、やがてそれは結婚式当日、ほぼリアルタイムで並行して起こっていること、だということがわかります。 結婚式の紙吹雪舞う中、同じ舞台の上では絞首が行われているということのコントラストは強烈な印象を残します。同時に一般的に死刑は執行後に遺族や社会に公表されるものだ、という前提を描くことで、執行前からヒートアップした今年の報道の異様さも浮かび上がるのです。
花嫁の父を演じた丸尾聡は実直で頑なな、しかし娘思いの父親をきっちり。
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