【芝居】「ペストと交霊術」Ne`yanka
2018.9.1 19:00 [CoRich]
3日まで、APOCシアター。105分。
交霊術を使う姉と同居する妹。ペストの流行に怯えていて神から長生きの呪術のために死体が必要だと告げられる。元妻の交霊を求める男と友人の男、死体は手に入れたいが自分で手を下したくない姉妹は自殺しそうな一人として、喧嘩して家を出てきた姪っ子を追いかけてきた夫を選び、遺書を代筆させる。
一つの部屋で起こる一晩のホラーな物語。謎がいくつも示されつつ、それが解決されるというよりは、ゴシックテイストの少し耽美な世界を美しく描き出すのです。何が起こっているかはわかるし、 人々の恐怖や欲や愛をさまざまなバリエーションでショーケースしている、ということは分かるのだけれど、正直に云えば物語の何をヨスガに読んでいけばいいのかに戸惑うアタシです。 物語の起点はペストへの怯えと呪術によって延命を企てる姉妹で、客としてやってくる男性二人、姪っ子夫婦、その使用人たちそれぞれの愛情のありかたへと転調していくのです。男性の二人客は妻と離婚した男と、妻が次に恋人とした男の二人なのにゲイの関係になっているとか、姪っ子夫婦のヤキモチな感じとか、使用人たちは主人たちから隠れて乳繰り合うかんじなど、わりとやりたい放題ではあります。 姪っ子を追いかけてきた夫の死体を手に入れることに決め、なぜかわからないけれど自殺して貰えて、もっと生きていけると思った姉妹なのに、姉があっさり心不全で死んでしまうという無常観が物語全体の雰囲気かなと思ったりもします。
映画「カメラを止めるな」で妻を演じたしゅはまはるみ( 1, 2)は、主役となる姉、きっちりと新劇のような重厚さと時々軽やかに。姪っ子を演じた福永理未は夫が気を揉むことの説得力のある可愛らしさ、メイドを演じた河南由良は意外にフラットでいつづけて、でもいちゃつく感じも楽しい。
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