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2018.08.14

【芝居】「枳殻の容」TOKYOハンバーグ

2018.8.4 15:00 [CoRich]

5日まで楽園。80分。

大学生で塾の講師のアルバイトをしている女は、紹介されて、Jリーグ選手からコーチになっている男に出会い、やがて付き合うようになる。交際を続け、結婚の話しが出てきたころに、男が筋肉腫に犯されていることがわかる。

当日パンフによれば、他界した作家の親友のことを描いたといいます。謝辞などから察するに、劇中の名前はおそらく現実の人々の名前そのままのようです。物語はその恋人である女性の視点からひとり芝居として進み、出会い、惹かれあい、結婚を考え、しかし闘病生活に入るというゆるやかに流れる時間を丁寧に描きます。

現実の名前である以上、エピソードは拾ってあるにせよ基本的には現実に即したドキュメンタリーに近いのだろうと考えるワタシです。冒頭が「検査の結果」で始まり、当パンに他界した親友の話だとあるので、人物を丁寧に優しく描くことになるし、着地点がどうなるかということもわりと見えていて、見えている流れに乗ってみることができるかどうか、ということが芝居をどう感じるかのポイントになる気がします。

その点において、こういう人がいて、作家(や恋人)は彼の事が好きで、その死をとても悼んでいるということを丁寧に積み重ねています。現実の友人を亡くしたことを描く事も、ひとり芝居で演じることも逃げ場の無い要素ばかりのなか、一直線とはいえ、積み重ね続けることできちん人間を造型していくシンプルで美しい舞台になっているのです。

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